オリゴ糖はオリコウサン
昔から母乳で育つ児は人工ミルクで育った児よりも下痢などの病気にかかりにくいことが知られていました。
理由はオリゴ糖があることです。
人の母乳の中にオリゴ糖があるのは感染予防のためです。病原菌が体内に入り細胞の上皮に付着する前にオリゴ糖が結合し付着を阻害します。知られているのはオリゴ糖が肺炎球菌類やインフルエンザウイルスの付着を阻害することです。
また、母乳の中にオリゴ糖が存在することで、乳児の腸内に腸内細菌を育成・増殖させ他の有害な細菌の増殖を抑制させます。
もちろん乳児だけでなく、大人にとってもビフィズス菌などの腸内善玉菌を増やす効果があります。
健康食品には多く用いられ、整腸作用の効果が謳われています。
聞きなれない糖の名前ですが、大事な役目を担っているのです。
オリコウサンというところですがオ(ア)リゴ(ガ)トウさんですね。
ところでオリゴ糖のもう一つの特色は、人の血液型を決めているということです。
血液型は赤血球のオリゴ糖鎖の構造の違いで区別されます。
違う血液型を混ぜると赤血球の凝集が起こります。これはオリゴ糖鎖の構造が違うと異物とみなされ抗原抗体反応によって凝集が起こります。
ABO式血液型ではA型を決めるA型物質、B型を決めるB型物質、O型に存在するH型物質があり、H型物質はA型B型の赤血球にも存在することからA型物質B型物質になる前の物質とみられています。
このことからO型がABどちらにも輸血できるのです。
また、AB型は、A型物質B型物質が入っています。
オリゴ糖はこんなところでも活躍しているのです。